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ラジエターとは必要のない熱を外部に放熱する装置で、クルマのエンジンを冷やすのにも使います。山田教授のアイディアは、水で冷やすのではなく、熱の伝わり方が水の10倍もある鉄でできた格納容器そのものを、空冷ラジエターとして使います。

 

山田教授は原子核物理、加速器、放射光の専門家で、特に量子力学の分野できわめて優れた実績があります(略歴などは下記)。

 

●手順

①一定の水圧をかけた水とともに、鉛の粉末あるいは微小なボールを冷却水投入口から投入します。鉛は水流にそって圧力容器、格納容器、そして破損口から外部に流れます。この過程で水より重たい鉛は、溶けた核燃料に落ち、全体を少しずつおおいます。

 

②おおいかぶさった鉛の量が増えて、燃料が水と接触しなくなると燃料の温度が上がり、鉛は溶けだし(300℃程度で)さらにスムーズに燃料全体をおおいます。この段階でも、放射能が冷却水に移る割合が減るでしょう。

 

③燃料の量と、鉛の量が理想的な状況になると、水を止めます。すると比熱(温度を上げる必要なエネルギー)が小さい鉛は、熱を効率よく格納容器(鉄)に伝えます。鉄も比熱が小さいので、格納容器全体から放熱がおきます。夏でも格納容器の温度が200℃以下で平衡状態に達します。つまり温度はそれ以上には上がりません。冬場とか雨が降れば40度以下でバランスします。

 

●メリット

1)冷却水(地下水と別に400トン/日)による汚染水がなくなる

2)上記汚染水がなくなると、地下水の汚染も激減する

3)空冷なので維持費が掛からない

4)鉛によって放射線が遮断される

5)核分裂の連鎖反応を起こさせる水がないので安全

6)100トン程度の鉛を投入するだけなので安価

 

政府・東電は、いまだ具体的な対策を何ら用意できません。日々、危険が急速に拡大しています。山田教授はこのアイディアを2011年6月11日から政府に訴えているのです。

 

 

山田理論(最終).jpg

 

 

 

 

 

 

ヘッド4.jpg

 

水を使わなくても、冷却できます

 

高橋

まず、このアイディアの根幹は『鉛を使う』というよりも、格納容器全体を、『溶解した燃料の冷却ラジエターにしよう』ということだと理解しました。教授は、鉄でできた格納容器の表面積の一部である30平米(実際は完全な球体で計算すると380平米程度ある)の放熱効果で、厳しめに見ても200度の平衡状態が得られると計算されています。つまり、水による冷却は必要ないということですね。理論は後ほどにしまして、最初に手順を説明していただけますか。

 

山田教授図1.jpg

おっしゃる通り、これは格納容器そのもので冷却する方法です。ただし、いきなり水を止めると、燃料と鉄の接点が限定され、放熱よりも鉄の融解が起きてしまいます。これを回避するためには、格納容器と接触する面積を大きくして熱の伝導をゆるやかにさせる必要があります。これに『鉛』を使います。最初に一定の水圧をかけた水とともに、『鉛』の粉末あるいは微小なボールを冷却水投入口から投入します(図1)。『鉛』は水流にそって圧力容器、格納容器、そして破損口から外部に流れます。この過程で水より重たい『鉛』は、溶けた落ちた核燃料に堆積し、全体を少しずつおお
います。

 

高橋
『鉛』である必要はありますか。他の金属ではどうですか。

 

山田教授図2.jpg

『鉛』は、融点(溶ける温度327.5°C)が低く、格納容器の鉄が溶ける前に(1538°C)溶けてしまいます。しかも放射線を遮断する効果が一番高いので、もっとも理想的なのです。ただし、重すぎて格納
容器が持たない場合にはスズやアルミなどとの合金も考えられますが、放射線を遮断する効果は低下します。また、有毒な鉛が蒸発する危惧もあるようですが、格納容器に遮断されているのでそれほど危険だと考えていません。

さて、徐々におおいかぶさった鉛の量が増えてくると、燃料が水と接触しなくなります。すると燃料は崩壊熱で温度が上がり、鉛は溶けだします。液体になった鉛は、スムーズに燃料全体をおおいます。この段階でも、放射能が冷却水に移る割合が減るでしょう(図2)。

 

高橋

汚染水の元凶は、地下水のような印象を持っている方もいます。しかし、水は二系統あって、ひとつは地下水が一日400トン、もう一つが燃料の温度をあげないように冷却水が事故当時から毎日300~400トン注入されています。格納容器に燃料が残っているとすると、この冷却水が燃料と接触して汚染水の元凶になっており、これが普通の地下水と混ざっていると考えられます。

 

山田教授(図3)鉛から格納容器全体に熱が伝導.jpg

私は、このアイディアを事故が起きた2011年6月11日から政府に提案しています。なぜ水で冷却するのか。なぜ水で放射能を外部に持ち出すのかと。放射能を持ち出したら汚染が広がるばかりです。

水を使わなくても冷却できます。鉛の量と燃料の量が、理想的な状況になると、水を止めるのです。すると比熱(温度を上げる必要なエネルギー)が小さい鉛は、大きな面積で熱を効率よく格納容器(鉄)に伝えます。鉄も比熱が小さいので、格納容器全体から放熱がおきます。夏でも格納容器の温度が200℃以下で平衡状態に達します。つまり温度はそれ以上には上がりません。冬場とか雨が降れば40度以下で安定します(図3)。

 

 

鉛で、核分裂による不測事態の心配はない

高橋

ご説明ありがとうございます。ところで、以前から非常に疑問に思っていたことがあります。普通、火事が起きると水をかけます。ですから、事故当時ははやく水をかけろ、と思っていました。しかし、勉強してみると通常の運転時に原子炉で水を使うのは核反応を促進するためだ、と知りました。つまり、汚染水が増えるという問題とは別に、冷却に水を使うということは火に油を注いでいるのではないかと。

 

山田教授

ウランから出る中性子は非常に大きなエネルギーを持っていますから、そのままでは近くのウランとうまく連鎖反応をする間もなく外に飛んでいきます。この中性子の速度を落とすために減速材として水を使います。水を構成する水素は、中性子の速度を減速させ、核分裂を促すのです。ですから水は冷却材と減速材というふたつの性格があります。一刻も早く、水による冷却はやめるべきです。

 

高橋

ところで、ウランの核分裂の中に、他の金属を入れると、別の核分裂が起きて不足事態は起きませんか。

 

 

写真②.jpg山田教授

鉛という物質そのものは核分裂しません。また、先ほどの話で減速材は核分裂を促進しますが、減速材は軽い物質である必要があります。鉛は重たいので、減速材の役割を果たせません。もちろん、中性子が発生したら鉛に限らず、すべてのものは放射化します。しかし、これは核分裂ではありません。鉛で核分裂による不測事態を心配する必要はありません。

 

 

 

高橋

汚染水が大きな問題となって、それは今になって急にどこからか事故に乗じて地下水がやってきて、これが原因というイメージですが、地下水は事故前からあります。原発には『サブドレン』というものを建屋周辺に設置しています。これは建屋底部への地下水の流入の防止や、建屋に働く浮力の防止を目的として、ポンプで地下水をくみ上げ、地下水位のバランスをとります。事故前には、1号機から4号機のサブドレンで、約 850 立米/日の揚水を行っていました。これが、稼働することができなくなって新たに井戸を掘削しているのですね。ですから、地下水はあらかじめ与えられた条件です。むしろ汚染水を作る元凶となっている冷却水を使うことはやめるべきですね。

 


 

遮水壁で周辺を囲むより、燃料そのものを囲む

 

山田教授図4-a2.jpg

この方式は、仮に溶けた燃料が格納容器を突き破り、さらにコンクリートを抜けて、完全にメルトスルーしていた場合でも、効果が期待できます。燃料自体は非常に重たいので、バラバラに落ちてもどこかで集まりひとつの塊になっていると考えられます。ここに鉛が沈殿すると格納容器の中と同じように鉛は液体になります。この鉛が燃料を包み込んで、地下水との直接的な接触を回避することが期待できます。遮水壁で建屋の周辺を囲むのではなく、燃料そのものを鉛で囲みます(図4-a)。

 

高橋

ウランは鉛より重たいですから、鉛は燃料の上部にしか溜まらないのではないですか。

 

山田教授図4-b2.jpg

ウランは液体状態にはなっていません。ウランの融点(1132°C)を考えても、少なくとも現在は、水で冷やされているので個体で存在すると思います。鉛はウランに接触すると、すぐに液体になりますので、流れるようにウランを包み込むでしょう。地下水への放射能の移転は激減するでしょう(図4-b)。


高橋
 

教授、燃料の位置を特定する必要がありますね。

 

山田教授

宇宙を観測するのにX線を使う技術があります。

 

高橋

ガスなどの遮蔽物がたくさんあって、天体望遠鏡では決して見ることができない天の川銀河の中心を観測し、巨大なブラックホールがある、ということを見つけた技術ですね。

 

山田教授

その技術を使うと、強烈なX線を放つ核燃料の位置が分かると思っています。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の方が、汚染地域をこのX線カメラで見て、放射能のありかを特定しています。物理学会誌に発表していました。解像度は期待できませんが、位置の特定はできると思います。

 

高橋

さて、一番面倒な計算の話ですが、その前提は

1)100トンの核燃料が、圧力容器あるいは格納容器の鉄の中にある
2)その崩壊熱は1MW(メガワット)である

となっています。

 

山田教授

写真③.jpg

私はこの計算はかなり厳しめにやっています。空気中への放熱だけを計算し、物質から物質に伝わる熱伝導は省いています。実際には、たぶん200℃ではなく、100℃もいかないと思います。これはきちんとシミュレーションできます。どのくらい重さに耐えるのかという構造計算も必要です。重すぎるときは合金を検討すべきです。

 

 

  

 

 

★山田教授が主催する

『民間福島原発事故収束委員会』からの呼びかけ

http://blog.goo.ne.jp/minnkannjikosyuusokuiinnkai

 

民間福島原発収束委員会は、上記で説明しました方式を政府及び東電に理解させ、早い時期に実現させるために設立しました。収束委員会は超党派で運営し、参加者が自らの手で原発事故から人と自然を守るために活動することを保証するために設立しました。

 

参加者は原発を収束するために研究及び広報活動を行います。より多くの人が参加すれば、より正確な判断ができるというのが、民間方式の意義です。放射能・放射線事故から自らを守る市民の立場で、市民の安全確保と健康を目的として、事故処理に対する監視と有益な理学・工学的・社会的な知見を政府、東京電力をはじめ事故処理にあたる諸機関に働きかけ、迅速な措置を求めます。

 

活動への参加希望者は、お名前、連絡先(e-mail、電話、住所)、年齢、性別を入力のうえお送り下さい。賛同するだけもご友人にお知らせくださるだけでも歓迎です。数が力になりますからお名前をいただけますように。会費は不要です

shuusokuiinkai@yahoo.co.jp

 

発起人:山田廣成(新方式の発明者、立命館大学教授)、上原正勝(元大阪原子力安全管理事務所所長)、月谷小夜子(日本ペンクラブ会員)

 

 

 


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■山田廣成(ひろなり)氏の略歴

1946年 名古屋市瑞穂区に生まれる(66歳)

1970年 名古屋大学物理学科卒業

1975年 名古屋大学原子核工学研究科博士課程修了

1973~1976年 東大原子核研究所にて核構造研究

1976年 博士号取得

1976~1982年 オークリッジ国立研究所

1983年 オーストラリア メルボルン大学物理学科

1986年 住友重機械工業・量子技術研究所

1993年 立命館大学理工学部教授に就任

1997年 ㈱光子発生技術研究所設立

2002年 文科省21世紀COE拠点リーダーに就任

2007年 科学技術分野における文部科学大臣表彰を受賞

2011年 ㈱光子発生技術研究所 代表取締役就任

 

●所属学会

物理学会会員。自由電子レーザー研究会、原子力学会加速器部会、加速器学会年会、放射光学会年会、それぞれ組織委員。

 

 

 

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映画『朝日のあたる家』の哀しみと、愛

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これは福島の話ではない。人びとの心の中では福島原発事故は、すでに過去となった未来が舞台だ。しかし、そこで始まる出来事はまるで鏡ように今を映し出し、切なく、哀しい。

 

震度5強の地震が起き、原発から60km離れた街にやがて白い粉が降る。雪みたいと、手をひろげ庭にでる家族。テレビでは大学教授が原発について、爆発というよりも爆発的事象でしょうが今のところ放射能の心配はないです、と語っていた。

 

人々が毎日積み上げてきた営みが明日も必ずやってくるという信頼、家族みんなで頑張ればきっとうまくいくという希望、そうしたものをこの物語はねこそぎ奪いとる。

 

父は怒鳴る。畑を放りだし避難などできるか、テレビでも大丈夫だと言っているだろう。母は自分にうなずく。そうね、何回も原発事故なんか起きないわね。だが、今夜だけだと避難した体育館で、長女あかねは大量の放射能を浴びたことを知る。妹の舞はシャワーを5回も浴びさせられる。一家の笑いは、消えた。

 

季節が移り、テレビでは何ごともなかったようにお笑い番組が放送されている。父は仮設住宅で昼から酒を飲み、鼻血を何度も出すようになった舞は医者にストレスだといわれる。2時間に限られた一時帰宅で長女あかねは、私はここで暮らす、ここに残る、私の家だもの、とマスクを投げ出す。母は、しっかりしなさい、と娘をぶった。

 

入院してしまった妹の舞と沖縄からやって来た叔父(山本太郎)が二人きりで病室にいる。叔父ちゃん、私、いつまで生きられるんだろう、30歳までに死んじゃうのかなあ、と微笑みながら舞は涙をうかべる。大丈夫や、今なら間に合う、舞は死なへん、俺がそんなことさせるか、結婚して子どもを産んだら叔父ちゃんが名付け親になる、俺が死んで舞がおばあちゃんになったらみんなに伝えるんだ、長生きしなくちゃいけない、死んだ沖縄の叔父ちゃんが言っていたと。明日にすがるようにひとつひとつ言葉にした叔父に、舞は涙しながらも笑いだす。廊下で立ち聞きしていた母とあかねは、声をおしころし、泣き崩れた。

 

この物語には希望はない。ただ、愛だけがある。

朝日のあたる家②.jpg

 

 

 

★「朝日のあたる家」全国公開スケジュール

http://www.asahinoataruie.jp

●9/14日(土)豊川コロナシネマワールド(愛知・豊川)●9/21日(土)半田コロナシネマワールド(愛知・半田)、大阪シアターセブン(大阪 十三)●9/28日(土)東京 アップリンク (東京 渋谷) 、中川コロナシネマワールド(愛知・名古屋)●10/12日(土)金沢コロナシネマワールド(石川)●10/19日(土)横浜シネマ・ジャック&ベティ(横浜)、福井コロナシネマワールド(福井)、大垣コロナシネマワールド(岐阜)●10月26日(土)愛媛シネマルナティック(松山)●11/2日(土)青森コロナシネマワールド(青森)●11/16日(土)小倉コロナシネマワールド(福岡)

★さらに、全国の映画館に上映要請の電話をしよう

 

 

 

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【緊急】あと2週間、子どもたちを救え!

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「子ども・被災者支援法」は昨年6月、全会一致で成立し、放射能の「被ばくを避ける権利」を規定しています。被災地に暮らす、被災地から避難する、避難先から地元に帰る、それぞれの選択を認め、住まいや健康などの支援を保障しています。しかしこれまで、具体的な「基本方針」は、まったく放置されてきました。

 

ところが、復興庁は昨日(8月30日)、突然、この案を発表。しかも、同日からわずか2週間のパブリックコメントによる意見募集を済ませ、閣議決定へ持ち込む、というきわめて暴力的な進め方にでました。

 

①    支援対象地域を確定する放射線量の基準作りを放棄

②    33市町村に限定

③    避難の権利を実質的に放棄

 

表は、KAZE to HIKARIが、文部科学省の放射線量別マップで分類し、該当人口を割り出したものです。線量区分は文科省の区分であり、0~14歳で区切ったのは各県から公開されている唯一の共通データです。実際の子どもの人数は、15歳以上でさらに増えます。

 

これによると、原発事故による追加の年間放射線量1ミリシーベルト以上にさらされている、0~14歳の子どもたちは約118万人です(家の内外の放射線量に差がある、とすると対象は約40万人)が、今回の対象地域の同人口は約23万人です。つまり、約95万人以上の14歳以下の子どもたちが、今回指定された地域と同じ放射線量であっても、対象から外されるのです。

 

同法律は、放射線量の「一定の基準」を設定することが画期的であったのですが、これが放棄されました。また、避難の権利を認めない支援内容とあわせて考えると、「支援法」とは完全に無縁のものです。しかも、「原子力災害からの復興・再生」の本年度予算7,264億円が、来年度概算要求は6,558億円に減っています。

 

チェルノブイリの基準では、年間5mSv以上は強制移住、1~5mSvは移住権利を認めています。この基準では、先の118万人全員が移住権利を有します。

 

みなさんの反対表明、そしてパブリックコメントが必要です。

 

パブリックコメント要項(資料含む)

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295130830&Mode=0
 

 

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★関連記事『40万人の子どもと、放射線』

http://www.kaze-to-hikari.com/2013/06/40-1.html

 

 

 

 

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政府の『凍土方式』の遮水壁とは、何だ

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政府の汚染水処理対策委員会は今年5月30日、福島第1原発で増え続ける汚染水の対処方法について、『凍土方式』という遮水壁を設置するよう指示しました。

 

これは、『凍結管』というものを地盤中に所定間隔(たとえば1m)で設置し、この中に冷却材(たとえば-40℃)を循環させ、凍結管のまわりに『凍土の壁』を作ろうというものです。2年後の2015年上期にようやく完成するようで、それまで溶けた炉心と地下水の接触回避はできません。

 

しかも、この方式は「これまで2年程度の運用実績があるものの、大規模かつ10年を超える運用実績はなく、継続的に冷凍機を運転させる必要があることから、津波対策を含めた凍土システム(凍結装置、電源設備)の長期的な信頼性を確保する必要がある」と同委員会自身が、大きな不安を認めています。

 

また、汚染水を貯留するアイディアとして、京都大学原子炉実験所の小出裕章先生は事故直後から、海洋タンカーを使うべきだと主張していきましたが、この検討がようやく行われました。委員会は「個々のタンクと比較して、大きな貯蔵容量が確保できることに加え、中古のタンカーを活用することで、比較的低コストでの調達が可能である。しかし、万が一、漏えいが起こった場合には即座に海洋に流出することになるため、津波等の自然災害時の耐久性やタンカーの漏えい防止策の信頼性について検証を行うことが必要である」としています。

 

凍結方式について小出先生は、「このやり方ではずっと冷却を続けなけなければならず、長期間のことを考えると望ましくないと思います。もちろん緊急性もありますので、まずはこれでやるということなら構いませんが、やはり長期間耐える構造物にするべきだと思います」とおっしゃっています。

 

3.11直後の3月下旬に、小出先生は次の二点を提案されています。

①  汚染水を海洋タンカーに入れ、柏崎刈羽原発まで運び、そこの廃液処理装置で処理するべきだ

②  メルトスルーの可能性があるため、地中深くまで遮水壁をつくり、溶けた炉心と地下水の接触という最悪の事態を避けるべきだ

 

ところが、政府はこうした提案を無視し、事態をここまで悪化させました。聞く耳を持たない、しかも無能な政府、官僚、東電経営陣が、順調に事故収束できると思えません。これほど実務能力のないリーダーたちが、何を計算しているのか再稼働をもくろみ、日本をさらに危険にさらそうとしているのです。

 

 

凍土方式2.jpg

 

 

 

鹿島建設『凍土遮水壁による地下水流入抑制案』

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/130426/130426_02k.pdf

 

政府・汚染水処理対策委員会『地下水の流入抑制のための対策』

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130530_03-j.pdf

  

東京電力『陸側遮水壁(凍土方式)による1~4号機建屋内への地下水流入量低減方策の検討』

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/130701/130701_01g.pdf

  

毎日新聞『福島第1原発:汚染水抑制、凍土で遮水壁設置へ』

http://mainichi.jp/select/news/20130531k0000m040075000c.html

 

 

 

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小出先生、汚染水をどうしたらいいですか?

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Q:   3.11の直後から「空気中に飛散した」セシウムの量は、各種の調査機関で多少ばらつきはあるものの、その単位は10の16乗(1に0が16個つく単位)ベクレルでした。しかし、これまで「汚染水として飛び出してきたもの」は10の17乗で、単位がひとケタ上です。

 

A:小出先生

私が3.11直後に『遮水壁』を作るべきだと提案した動機は、溶け落ちた炉心が、格納容器の床も抜いて、すでにさらに深く沈んでいるかもしれないと思ったからです。仮にそうだとすると(メルトスルー)、放射能が環境に漏れることを防ぐことがまったくできなくなります。ですから、原子炉建屋を取り囲むように深い壁をつくり、地下水との接触を避けるようにする遮水壁をつくることが必要だと提案しました。

 

Q:  壁の底は作らなくてもいいのですか?

 

A:小出先生

猛烈な汚染状況のなかでは底は作れないと思います。できるだけ深いところまで遮水壁を張りめぐらすべきです。

 

Q:  原子炉を冷却するために、毎日350㎥(立法メータ)以上の注水が行われ、さらに事故前から浅い地層からわき出ていた地下水(表層地下水)を、くみ上げる機能が壊れ、そのまま毎日400㎥が建屋に入り込んでいます。地下水は表層だけではなくさらに多層あります。

 

A:小出先生

建屋に入り込んだ水とは違い、メルトスルーした可能性のある炉心が、地下水に直接接触することがあれば最悪です。一方で冷却するための注水は、原子炉どころか格納容器、あるいは建屋からもじゃじゃ漏れしています。地下などのコンクリート構造物は、地震であちこちが破壊されているはずで、見えないだけで大量に漏れているでしょう。それを、10万トンクラスの海洋タンカーを運んできて、汚染水を入れるべきだと、私は3.11直後に提案しました。

 

Q:  すでに汚染水は環境と接触していますが、今でもやるべきですか?

 

A:小出先生

私は、今でも、やるべきだと思います。ただ、タンカーに移すにしても遮水壁を作るにしても、多数の労働者が被ばくをしてしまいます。ですから、大変、苦しい。

 

Q:  選挙戦終了直前に東電は、汚染水が海洋に漏れていた、と発表しました。今後、海洋への汚染水廃棄は国際問題になりませんか?

 

A:小出先生

「国際」というとき、発言力のある常任理事国はすべて核兵器を持っています。彼らは、福島の汚染の数十倍の放射能を、すでに大気圏内核実験でばらまきました。その「国際社会」がどのように反応するのかは、分かりません。

 

 

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主語は、『私たち』です

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原発はいらない

なくせる。そんな日本にできる、と

 

あれから、わずか1年

私たちは、別の世界へ迷い込んだのか

 

ドイツの脱原発運動は、環境に敏感な農民が6万5千人の署名を集めたところからはじまります。今から、およそ40年前のことです。

 

70年代後半から90年代前半のおよそ20年間、多数の市民デモが警察と衝突を繰り返しながらも、少なくとも13の原子炉や関連施設の操業、建設を断念させました。チェルノブイリ原発事故を契機に議席数をのばした同盟90/緑の党は、(日本とは違い)電力不足のドイツの現実を考え、1993年「全原子炉の即時停止」を党綱領からはずし、より広い層の支持をねらいます。1998年連立政権参加をはたし、2000年、「原子炉の運転期間を、開始から32年間とし、その後、廃止」という合意を大手電力会社4社と実現します。

 

ところが2010年、保守中道連立政権のメルケル首相は、再生可能エネルギーを2050年まで80%に引きあげるというビジョンを描く一方で、原発の運転期間32年間を平均12年間も延長させたのです。

 

そこへ、日本の3.11フクシマ。原発事故の現実を前に、保守派のメルケル首相は、わずか3年で、なんと脱原発に方向転換したのです。

 

連邦制のドイツでは、政党公約は地方の党員も交え議論をつみ重ね決定し、その結果はやがて国民にも大きな意味を持ちはじめます。今年秋、9月22日の国政選挙のための公約発表は、早い党が投票日167日前にすでに終え、一番おそい党でも79日前(制度上)です。日本は、ほとんどの党が公示日、つまり投票日の17日前ぎりぎりにならないと公約発表しません。党員ですら、まして国民など、理解する時間などまったくないのです。

 

日本の政党は、公約をどのように考えているのでしょうか。国民など読んでも分からない、読ませる必要もないだろう、と考えているのでしょうか。投票率を嘆くのならば、多くの国民に分かりやすいプロセスと十分な時間をかけることを、私たちは要求します。

 

日本の脱原発も時間が必要です。しかし、ただの時間ではありません

毎日、積み重ねる時間です。主語は、『私たち』です

さあ、あすも、積み重ねのために、私たちは出かけましょう

 

 

KAZE to HIKARI一同

 

 

 

 

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ドイツ連邦議会の選挙は、今年9月22日(日)に決まっています。

各党からは、すでに公約が出ています。有力な政党を紹介します

 

●SPD(社会党) 発表4月14日[120ページ]

  http://www.bundestagswahl-bw.de/wahlprogramm_spd.html

 

●同盟90/緑の党 発表4月28日に[337ページ]

   http://www.gruene.de/partei/gruenes-wahlprogramm-2013.html

 

●CDU(ドイツキリスト教民主同盟) 発表6月23日〔128ページ]

  http://www.bundestagswahl-bw.de/wahlprogramm_cdu-csu.html

  

●FDP(自由民主党) 発表5月16日〔94ページ]

  http://www.fdp.de/Der-Weg-zum-Buergerprogramm/1793b658/index.html

 

同盟90/緑の党、綱領

Die Grünen (1980)   http://www.boell.de/downloads/stiftung/1980_Bundesprogramm.pd

Bundnis90/Die Grünen (1993)   http://www.boell.de/downloads/stiftung/1993_Grundsatzprogramm.pdf

 

 

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選挙目前!おさらいです

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選挙目前!おさらいです

いよいよ明後日は選挙です。もちろん投票へはいきますよね。どの政党に、どの候補者に一票を投じるか、もう決まりましたか?

参議院選について、おさらいしてみましょう!

■改選人数
参議院の議員任期は6年。定員242名で、3年ごとに半分の121名を選挙で選びます。うち73議席が【選挙区】選挙で、48議席が【比例代表】選挙で選ばれます。図を見ると、与党の非改選が左に、野党が右にあります。今回、野党で59議席以上とれば過半数以上となり、自民党の暴走を止めることができますね!

■投票は、2回
はじめに【選挙区】、次に【比例代表】と、2回投票します。

■選挙区は『個人名』を
【選挙区】は、都道府県ごとに候補者『個人に投票』します。あなたの住む都道府県の立候補者の中から1人、個人を選んでください

■比例代表は『個人名』でも政党に反映
【比例代表】は全国区です。政党を選んでも、個人を選んでもいいです。いずれも、まず政党の得票としてカウントされ、党の議席数が決定します。政党内での個人への議席は、個人得票が多かった順に割り当てられます。ですから個人を支持するのなら、『個人名』を書いてください。

■ドント方式
すごい名称です。人の名前だそうです。とても特殊な方法でここでは説明できません(私では m(_ _)m)。でも、数学者の芳沢光雄さんは「大政党に有利な制度になっている」と、数学的に証明されたようです。いろいろなとこで、自民党に有利な状況なのは残念です。

★さあ、まだ決まっていない人は、いま、ここをクリック!候補者の情報が見れます
http://senkyo.yahoo.co.jp/kouho/

 

 

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不道徳国家、お笑い国家さながら

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元在スイス大使の村田光平さん、お話をうかがいました(後半)。

 

原発の収束が何もできていない日本が、オリンピック誘致をすること自体、不道徳国家なのです。倫理観のある世界中の人は、ちゃんと見ています。開催などできないのです。

 

それにもまして依然、この地震大国にこれだけの原発があり、再稼働させようとしています。地震が原因で、福島第一原発事故が起こったとなると、耐震基準を改める必要が生じ、すべての原発を止めなくていけません。だから、何とか津波のせいにしたいのです。

 

同時に危惧しなくてはいけないのは、原発へのサイバー攻撃です。これにより原発のメルトダウンを起こしうる、と考えらえています。米国を含め、このことで深刻な危機感が生じているのです。地震大国、津波大国の日本中に原発を作ったことが、実は日本中に自らを攻撃する核兵器を配置しているのと同じだとなれば、お笑いなのです。お笑い国家ですね。

 

温暖化と二酸化炭素の問題を一概に否定することはできません。しかし、IPCCが温暖化と二酸化炭素の問題を警告したことを、原子力推進のひとたちが利用したというのは事実でしょう。何でも利用します。金と力があり、倫理がなければ何でも悪いことをするんです。

 

今の政府の原子力政策には絶望しています。世界から見ると、日本は本当に嘘をつきまくっています。しかも、嘘をつかれても国民は怒らないでしょう。日本は正しい武士道精神がなくなったのです。私は、武士道精神が必要だと思います。今の状況は、責任感・正義感・倫理観の「三カン欠如」に起因する「日本病」です。

 

フクシマ・日本は、軍事、民事(原発)を問わない核廃絶を、世界中に発信しなければいけません。私は4年半前に、『地球倫理国際日』を言い出しました。その際「倫理」の意味するものを詳細につめないでおこう、という立場をとりました。言い出すと、そこで論争がはじまって前に進まないからです。何とか『国連倫理サミット』実現への道を開きたいです。倫理と責任に欠ける、『核の平和利用』は認められないのです。

 

 

村田さん②.jpg

 

 

 

インタビュー(後半)

温暖化問題と原発の問題をどう考えますか

 

 高橋

1900年16億人だった世界人口が、2000年には60億と2次曲線的に人口爆発が起きました。しかし、増加率は1965年から1969年に2.1%のピークをたどり、そこから低減を始め現在は1%を切っています。こうした人類史にとっても最もホットだった20世紀に核が生まれて、他にもやりようはあるのですが、原発がエネルギーを支える役割を担ってきました。

 

2-1.jpg村田さん

私は、10数年前からGDP経済学にとって代わる「知足経済学」を提唱しています。一部の「勝者」のみが贅沢に生き残るような社会は、民主主義、人道の見地から言って、極力避けなければなりません。求めるものは、最大多数の最大幸福です。ところが、この期に及んでも、まだ、成長、成長、消費、消費というのはおかしいわけで、長続きするわけがありません。効率、効率、と追いかけていくと、しまいには人間が必要なくなってきます。機械化が今も失業を生んでます。

  

 

高橋

ところで、国際舞台で活躍されている村田さんにとって、温暖化問題と原発の問題は、どのように昇華されていますか。

 

村田さん

温暖化と二酸化炭素の問題を一概に否定することはできません。どちらかを選べというなら、緊急性から放射能問題を先に解決すべきでしょう。ただ、IPCCが温暖化と二酸化炭素の問題を警告したことを、原子力推進のひとたちが利用したというのは事実でしょうね。何でも利用します。ようするに、金と力があれば、倫理がなければ何でも悪いことをするのですね。

  

 

不道徳国家、お笑い国家さながら

 

2-2.jpg

村田さん

原発事故が収束からほど遠いいと海外からみなされている状況の下で、オリンピック誘致をするのは無責任、不道徳国家とのそしりを免れません。それにもまして、この地震大国にこれだけの原発があるというのは、とても危険です。国会事故調に参加された田中三彦さんは、今回の福島事故の原因を地震だと確信していますね。東電が国会に黒塗りの資料を提出するなどあらゆる策を弄して地震事故説の確立を阻止しようとしている状況証拠からもそう判断されます。

 

 

高橋

私も国会事故調の報告を丹念に読んで、そう思いました。民主党の川内前衆議院議員も東電以外では1号機に初めて入り、同じような感想を述べられています。小出先生は30年前の論文で、地震ですべての機能を失う危険性をすでにご指摘されています。私たちの調べでは、地球上で地震が多い新期造山帯に原発は68基あり(全体は431基)、そのうち54基は日本です。

 

村田さん

そうなのです。非常に危険です。地震が原因だということになると、現在の原発の耐震基準の改定が必要となりますから、すべての原発を長期間とめなくていけません。だから、何とか津波のせいにしたいのです。

 

高橋

小出先生は、原発を作ることは核兵器を作るための布石だ、ということを指摘されています。確かに、核兵器保有国では、原発はそうした機能を確実に果たしてきました。

 

村田さん2-3.jpg

今、最も危惧しなくてはいけないのは、原発へのサイバー攻撃です。これをやられては、ひとたまりもありません。日本を守るためなどと考えて日本中に原発をつくったとしたならば、これは日本中に自らを攻撃する核兵器を配置しているのと同じで、お笑いなのです。お笑い国家ですね。

  

   

  

  

 

日本は完全に武士道精神がなくなったのです

 

高橋

村田さんは、今の政治家に何を期待しますか

 

村田さん

いや、今の政府の原子力政策には絶望していますね。これを放置する政治家に絶望しています。もちろん、中にはしっかりしている人もいますが。世界から見ると、日本は本当に嘘をつきまくっていますね。しかも、嘘をつかれても国民は怒らないでしょう。日本は正しい武士道精神がなくなったのです。私は、武士道精神の復興が必要だと思います。今の状況は、責任感・正義感・倫理観の「三カン欠如」に起因する「日本病」です。

 

高橋

村田さんと初めてお会いしたのは、昨年12月、外人記者クラブで小沢一郎さんの記者会見の時です。今回の選挙で、小出先生のお話をきちんと訊いて、それを公約に入れたのは生活の党だけです。

 

村田さん

このあいだテレビを見ていたら小沢さんが、すべての力を事故処理にそそぐ、と言っていました。そういう意味では、今、小沢さんが一番やるべきことを言っていると思います。強力なリーダーシップがないと事故処理はすすまないですね。

 

高橋

それにしても、村田さんは上品な方、という印象がありますが、こうしてお話をしていますと武士道精神を大事にされる侍、という感じがしますね。

 

2-4.jpg村田さん

広島、長崎、福島を経験した日本は、軍事、民事(原発)を問わない核廃絶を、世界中に発信しなければいけません。私は4年半前に、『地球倫理国際日』を言い出しました。その際「倫理」の意味するものを詳細につめないでおこう、という立場をとりました。言い出すと、そこで論争がはじまって前に進まないからです。何とか『国連倫理サミット』実現への道を開きたいです。倫理と責任に欠ける『核の平和利用』は認められないのです。

  

 

 

高橋

村田さんの、国内外を問わない、『倫理』を軸にしたご活躍を、心強く思います。ぜひ、今後も私たちを導いてください。ありがとうございました。

 

 

 

【参考】村田光平さんの提唱する『母性文化』

村田さんは、日本はもともと母性文化であったが近代化で失われたと分析し、この復権を提唱されています。近代日本の父性文化と比較されていますので、その一部をご紹介します。母性文化/父性文化というかかたちで、競争/調和、対立/協調、厳格/寛容、知性重視/感性とのバランス、トップダウン/ボトムアップ、保守主義/革新主義など、そして原子力エネルギー/自然エネルギーと登場させ、独裁/民主主義と結んでいます。とても興味深いです。

 

 

【村田光平氏プロフィール】

1938年東京生まれ。

1961年東京大学法学部卒業、二年間外務省研修生としてフランスに留学。その後、分析課長、中近東第一課長、宮内庁御用掛、在アルジェリア公使、在仏公使、国連局審議官、公正取引委員会官房審議官、在セネガル大使、衆議院渉外部長などを歴任。

1996年―1999年、在スイス大使。

2000年―2002年 京セラ顧問、稲盛財団評議員。

1999年―2011年 東海学園大学教授。

現在、地球システム・倫理学会常任理事、日本ナショナルトラスト顧問、東海学園大学名誉教授など。

 

オフィシャルサイト:http://kurionet.web.fc2.com/murata.html

 

 

 

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安倍さんは関心を示してくれなかった

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元在スイス大使の村田光平さん、お話をうかがいました(前半)。

 

福島の事故の最大の教訓は、原発そのものはいかなる核兵器よりも危険である、ということが立証されたことです。この現実について、ちゃんと感性と倫理観があれば誰も反対できないのです。原発の危険性は、感性があれば10冊、100冊の本を読まなくても分かるはずです。今の電力問題、エネルギー問題などの議論は、この感性に煙幕をかぶせることに過ぎません。

 

まず、原発を止めなければいけないのです。人間の英知というのは、そこから始まります。原発ゼロと決めれば、うまくやる方法はいくらでも生まれるでしょう。

 

放射能が子どもに及ぼす危険は、大変な問題です。昨年の10月、安倍総理にこの問題で会いに行きました。しかし、安倍さんは関心を示してくれなかったのです。子どもたちを集団疎開させるべきですが、今の政権の反応は冷たいですね。

 

ウクライナではチェルノブイリ原発事故の被害を、政府が発表しています。それによれば、放射能被害で病気になった被害者の数は260万人、そのうち子どもは62万人という数字が出ています。恐ろしいです。ところが、現在の日本は、こうした放射能の被害問題をできるだけ小さく見せようとしています。日本の人口が半分以下のウクライナが、この程度ですから、日本はもっと深刻なわけです。

 

今年3月11日に、イタリアで開催されたユネスコクラブ世界連盟は、3月11日を『地球倫理国際日』とする、と決めました。これは、3.11という日本の震災に焦点を合わせた、という点で大きな意味があります。しかし、マスコミはこのことを一切報道しません。来年は、ワシントンで開催され、私もスピーチを頼まれています。できれば、その時に『国連倫理サミット』実現への道を開きたいです。そうした、世界からの『倫理』の包囲で、日本の道を正したいです。

 

 

村田さん①.jpg

 

 

 

インタビュー(前半)

ユネスコクラブ世界連盟は、

3月11日を『地球倫理国際日』と決めました

 高橋

第二次世界大戦で核兵器が使われ、戦後、それをもつことが平和維持に必要なんだという論理で、冷戦構造のなか大量の核兵器作られました。それと同時に、『核の平和利用』という論理で膨大な原子力発電所が作られました。核と私たちはどのような関係にありますか。

 

①.jpg村田さん

核と人類は共存できない、原発事故は人間社会が受容できない、ということがすでに完全に立証されています。ところが、今日の『原子力独裁』は、戦時中の軍国主義とまったく同じです。何を言っても聞かない、どんな正しいことを言っても無視する。原子力発電所は危険だ、といくら言っても彼らは聞かなかった。そしているうちに、福島の事故は起きてしまったのです。それでも、『原子力独裁』は一切反省しない。それどころか、巻き返しをはかっているのです。

 

 

 

高橋

そうですね、事故収束だけみても、3.11当時より、今、汚染水として飛び出している放射能は多くなっています。問題は小さくなるどころが、ますます大きくなっている。一方で、『原子力独裁』は世論操作や再開稼働にむけて、巻き返していますね。

 

村田さん

しかし、私はかならずしも悲観していません。こうした過ちに対して、世界的視点から見ると、『倫理の逆襲』が起きているのです。

今年3月11日に、イタリアで開催されたユネスコクラブ世界連盟は、3月11日を『地球倫理国際日』とする、と決めました。3.11という日本の震災に焦点を合わせた、という点で大きな意味があります。しかし、マスコミはこのことを一切報道しません。来年は、ワシントンで開催され、私もスピーチを頼まれています。できれば、その時に『国連倫理サミット』実現への道を開きたいです。

もうひとつ、核戦争防止国際医師会議(IPPNW、1980年設立、83カ国、20万人の医者が参加)が、6月の初めに宣言を出しました。「福島事故は収束から程遠い、そして原子力発電所はすべての世界中の人を無差別に放射能汚染にさらし、きわめて危険である」と。この組織はこれまで核兵器に反対していいたのですが、『核の平和利用』の反対にも踏み切ったわけです。画期的なことです。しかしマスコミはこのことについても報道しません。

 

   

原発そのものはいかなる核兵器よりも危険である

 

高橋②.jpg

『核の平和利用』の拒否に、倫理観がはたす役割は非常に大きいですね。ドイツでも、科学的な議論だけではなく、倫理や哲学から原発を論じる委員会がつくられ、脱原発へすすむという経緯があります。

 

村田さん

福島の事故の最大の教訓は、原発そのものはいかなる核兵器よりも危険である、ということが立証されたわけです。この現実について、ちゃんと感性と倫理観があれば誰も反対できないのです。原発の危険性は、10冊、100冊の本を読まなくても分かるはずです。今の電力問題、エネルギー問題などの議論は、この感性に煙幕をかぶせることに過ぎません。

 

高橋

いまだに『核の平和利用』とこの人間社会を、技術的、経済的、政治的に、何とか折り合わせようとする勢力がいますが、一般の人たちはこの『平和利用』という原点を信じて、その折り合いを見守る人々が多いですね。たとえば電力が足りるとか、足りないとか、燃料費が高いとか、貿易収支が赤字になるとか。

 

③.jpg村田さん

そう、そう、感性のある人には馬鹿らしくて聞いておられません。感性があれば誰でも分かります。まず、原発を止めなければいけないのです。人間の英知というのは、そこから始まります。原発ゼロと決めれば、うまくやる方法はいくらでも生まれるのでしょう。IAEAは、核拡散しないようにしながら、『核の平和利用』を促す任務を持っているが、これは両立しません。広島や長崎の核兵器廃絶運動も、核拡散をもたらした『核の平和利用』について反対をしなければ、まったく『魂』が入っていません。

  

  

安倍さんは関心を示してくれなかった

子どもたちを集団疎開させるべきです

 

高橋

そうした無意味な議論とはまったく関係なく、漏れ出た、あるいは今も漏れている放射能で、子どもたちの生命の危険性が心配されています。

 

村田さん

これは大変な問題です。昨年の10月、安倍総理にこの問題で会いに行きました。しかし、安倍さんは関心を示してくれなかったのです。子どもたちを集団疎開させるべきですが、今の政権の反応は冷たいですね。

 

高橋

放射能の問題は、疫学的な相関性を示す数値もなかなかとれない、医学的に因果関係の立証も簡単ではない。まして、電力のようにすぐに表に現れてきません。こうした、切断面が見えないフクシマということに、どのような感性を働かせるといいですか。

 

村田さん④.jpg

ウクライナではチェルノブイリ原発事故の被害を、政府が発表しています。それによれば、放射能被害で病気になった被害者の数は260万人、そのうち子どもは62万人という数字が出ています。恐ろしいです。ところが、現在の日本は、こうした放射能の被害問題をできるだけ小さく見せようとしています。日本の人口が半分以下のウクライナが、この程度ですから、日本はもっと深刻なわけです。

 

高橋

そんな国が、オリンピックを誘致するのに躍起です。

 

村田さん

福島の事故処理に、国は本来の責任を果たせていないと思います。私が訴え続けている事故処理の国策化をためらっております。だからこそ、日本の外から「福島事故は収束から程遠い」と、IPPNWが宣言を出すわけです。宣言を見た世界中の人たちは、なぜ日本はオリンピック誘致などするのだ、とんでもない、不道徳国家だと見ているわけです。私は猪瀬知事にも、そのことを数度にわたり伝えています。

 

 

 

【村田光平氏プロフィール】

1938年東京生まれ。

1961年東京大学法学部卒業、二年間外務省研修生としてフランスに留学。その後、分析課長、中近東第一課長、宮内庁御用掛、在アルジェリア公使、在仏公使、国連局審議官、公正取引委員会官房審議官、在セネガル大使、衆議院渉外部長などを歴任。

1996年―1999年、在スイス大使。

2000年―2002年 京セラ顧問、稲盛財団評議員。

1999年―2011年 東海学園大学教授。

現在、地球システム・倫理学会常任理事、日本ナショナルトラスト顧問、東海学園大学名誉教授など。

 

オフィシャルサイト:http://kurionet.web.fc2.com/murata.html

 

 

 

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静岡県、湖西市。60キロ離れた原発が爆発。避難勧告。いちご農家を営む平田家の家族は避難。一日で帰ると思っていたが、何カ月も避難所暮らし。父は職を失い、母はノイローゼ、妹は鼻血を流し、やがて病気になる。山本太郎さんも出演、映画『朝日のあたる家』の太田隆文監督にうかがいました。

 

僕はこの映画を作る前、ある取材で日本の原発54基すべてを見てきました。福島第一原発は上空からでしたが。原発は「人里から離れているので、安全です」みたいな話がありますが、それは嘘です。住宅街、漁村、海水浴場が隣接する場所にも建っていました。

 

原発がいかに危険か?を理屈で説明しても、理屈で反論される。放射能の影響の話になると、何十年もしないと結論が出ない。でも、映画というのは感動すると一生心に残る。人生が変わることもある。山本太郎さんがデモの先頭に立ち、小出裕章先生が専門家として知識を発信し頑張っているなら、僕は映画で人の心に訴えて行こう、と思ったのです。

 

戦後、日本人はモノがたくさんあることが『幸せ』だと信じてきました。でも、女子高生がケータイでメールを一所懸命しているのは、モノではなく、無意識に『絆』を求めているからです。その方法が分からないから機械=モノを通じて行っています。

 

そのモノを支えているのが電気=原発。その原発の存在が今、崩壊しようとしている。これはモノがたくさんあることが幸せ、という考え方の崩壊でもある。モノより『絆』が大切です。なのに、そのモノ=原発によって今、多くの『絆』が踏みくだかれている。

 

今回は編集しながら何回も泣きました。山本太郎さんやいしだ壱成さんは「セリフ追加していいですか?」と言い出す。泣く芝居ではないのに、涙があふれる。ほかの役者さんもすごかった。みんな芝居じゃない、セリフでなく自分の言葉だ。スタッフもみんな、泣きながら撮影した。完成披露上映会では、3千人が涙した。心の叫びは必ず広がる。僕は、そう信じたい。

 

 

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太田隆文監督のインタビュー

  

日本中にある54基の原発すべてを見てきました

  

太田監督

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映画「朝日のあたる家」の舞台となった静岡県湖西市では、すでに完成披露上映会をして、3000人が見に来てくれました。が、東京の映画館上映で大きな壁にぶつかっています。大手映画館チェーンでは、題材が原発事故なので上映拒否。独立系の映画館からは「年内の上映は全て決まっているので駄目」と言われています。地方の映画館には「東京で上映していない作品はできない」と言われ、八方塞がり。原発事故に対する関心がどんどん下がっているので、少しでも早く上映せねばならないのに苦戦しています。ただ、製作資金を集めるときも、映画会社もテレビ局からも「原発が題材の作品は出資できない」と言われました。けど、市民からの寄付という形で製作費を集め、無事に完成することができました。必ず何か方法はあると思っています。

 

高橋

では、監督の映画をみんなで見ようという運動をして、これだけの人が集まりますよ、とすれば上映が早まりますね。そいう運動をしたいですね。

 

太田監督

それは、とてもありがたいお話です。僕はこの映画を作る前に、日本中にある50基の原発すべてを見てきました。それから、チェルノブイリに行き、福島第一原発を空から見ました。

 

高橋

原発54基すべてを見た人など、ほとんどいないのではないですか。一番印象に残ったことは、何ですか。

 

太田監督

すぐそばに、住宅地があるということですね。高速増殖炉もんじゅにも行ったのですが、民家があって、どん、と爆発したら、あれは逃げても間に合わないですよ。原発は「人里から離れているので、安全です」みたいな話がありますが、嘘です。人がたくさん住んでいて危険なところに、実はいっぱい建てているのです。

 

 

 

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映画

「朝日のあたる家」

予告編

https://www.youtube.com/watch?v=k8Npg3bUecI

 

 

 

  

 

 

 

映画は人の人生を変えてしまう

高橋

山本太郎さんも映画に出ていますね。

 

太田監督

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ええ、まずは何とか参院選に当選してほしい。たぶん、今回はいける!と、僕は思います。よく彼のことを、原発に反対して仕事をなくした人の代名詞のように言いますが、それは違います。確かに芸能界の仕事は減りましたが、全国から来てほしい!と凄い数のラブコールを受けていて、とても大きなファン層を得ています。むしろ、以前よりも人気があるかも(笑)。太郎さんで思い出すのは、「朝日のあたる家」の打ち合わせをしたとき、「もし、日本中の映画館に上映拒否されたら、DVDにして渋谷駅前でみんなに配ります!」と言ったら、太郎さんも「僕も一緒に配ります!」と言って、二人で盛り上がりましたた(笑)

 

高橋

監督はこれまで「親子につたえたい」というコンセプトで、どちらかと言うと、やさしくて暖かい映画を作ってきました。今回の、原発の問題を映画にしてしまう、という選択はどうしてですか。

 

太田監督

これまでやってきた「親子につたえたい」ということの中で、原発事故をきっかけによく考えると、一番大事なことは、子どもの成績が悪かろうが、親より早く死なない、とにかく生きているということが大事なんだ、これだ、と思いました。

色々な表現手段があります。理論的な議論をしていると、やはり理論でかえってくる。相手がひとつの立場にこだわっていると、いつまでたっても議論が続く。映画というのは面白いもので、ある映画に感動すると、そのことが一生心に残っている。テレビでどんなに感動しても、去年のドラマは誰も覚えてはいません。映画は人の人生を変えてしまうほどの感動を僕たちにあたえてくれます。だったら、太郎さんがデモの先頭に立ち、小出先生が理論で頑張っているなら、僕は映画で人のこころに訴えて変えてやろう、と思ったのです。しかも、一気に1000人に見てもらえます。

 

高橋

監督は商業的な映画をこれからもたくさん作られると思いますが、原発の映画をつくることで、ご自身に色がついて仕事がやりにくくなるとは考えませんでしたか。

 


僕は2.jpg太田監督

散々、先輩たちから言われました。「お前は二度と商業映画を撮れなくなるぞ!」。でも、僕は映画を作るときに、いつもこれが遺作なんだ、と考えています。そうしたら前回の映画で、医者から「休まないと過労死するぞ!」と、警告されて。本当に東京公開が終わった直後に倒れて、半年寝たきり生活。あのとき死んでもおかしくなかった。生き残ったのは神様が「もう1本、映画を撮れ」といってるんだと思えて。その時に3.11を迎えたのです。それが「原発事故」であり、日本人として絶対に伝えねばならない問題だと思えました。次はないと思っているので、今後の不安はないんです(笑)。

 

 

モノの価値観に支配される社会の崩壊だと思います

 高橋

家族の『絆』は幸せな時は自覚できない、むしろ戦争のような不幸な時にはじめて自覚できる、と監督はおっしゃっています。それならば、普段の「幸せな時」というものは、いったいなんなのでしょうか。

 

太田監督

実は、今の『幸せ』は本当の幸せではないということです。戦争に負け、アメリカ人がモノに囲まれた豊かな生活をしているのを見て、モノにあこがれたというのが原点になっています。今の女子高生がケータイをもって、メールを一所懸命しているのは、無意識に『絆』を求めているのですが、その方法が分からないから機械、モノを通じてそれをおこなおうとします。モノを媒体としてしか、『絆』を確認できなくなっているのですね。昔は、小さな部屋で家族が寄り添っていた、しかし、お父さんは子どものために部屋を作ってやるが、今度は娘がケータイで援助交際をしていても分からない。よかれと思ってやったことが、ぜんぶ、あだとなっている。

 

高橋

いまモノから通信のお話になっています。そうした活動は電気で行われます。私たちの生活は電気が支えている。監督が戦争になったら降伏したら終わる、でも放射能との戦争は終わらない、と発言されています。偽りの『幸せの時』の基盤は電気で支えられている、しかも、そこには原発があった。これは、もっと深刻ではないですか。

 

太田監督5.jpg

モノを支えているものが電気であった、その中に原発がある、それが崩壊した。このことは、モノの価値観に支配される社会の崩壊だと思います。原発事故そのものの問題ではなく、日本の戦後価値観の崩壊だと思うのです。もしかすると、日本人を気づかせるには、戦争では足りない、と神様が今回の事故で試されているのではないかと思うほどです。モノの反逆というか、自分たちが幸せになれると信じていたものに、自分たちがつぶされている。

 

高橋

僕は、原発は単に機械ではなく、交付金など政治的につくられた社会システムだと思っています。小出先生とお話したときに、今回の事故でこれほどのことが起きたのに、もう何ごともなかったように人々は以前の生活に戻っている、もっと過酷な事故が起きても分からないかもしれません、と録音機を切った後に先生がつぶやかれました。このとき、とてつもなく僕はつらかったです。大事故でもなく、議論でもなく、大事なことは人間とは何か、人間の幸せとは何かまで戻らないと、結局、人は分からないと思うのですね。

 

太田監督

まさに、そこなのです。そう思ったから映画を作ったのです。何の罪もない家族、お父さんがイチゴ農園をやっていて、大学生のお姉ちゃんと中学生の妹がいて、何も悪いことなどしていないのに原発事故が起きて、どんどんひどい思いをしていく。家を失い、仕事を失い、学校に行けなくなり、友だちと別れ、子どもたちが病気になっていく。ぜんぶ福島であったことを取材して映画にしました。論理ではなく、子どもがこんなことになっちゃいけない、と絶対に感情で伝わると思うのですね。日本人はこのことを実感できれば、僕は変わると思うのです。

 

高橋

シナリオは いただいて読んだのですが、本当に監督の映画を見たいですね。そう思われている方は、たくさんいると思います。

 

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太田監督

撮影現場での山本太郎さんやいしだ壱成さんは、もう本気! ほかの役者さんもものすごかった。みんな演技じゃないですよ、台詞ではなく彼等自身の言葉としか思えない。子を思う父の言葉。母の言葉。太郎さんは「このシーンは、この言葉も入れたいんですけど!」と言い出すし、本番中、病気になった姪を見舞うシーンで涙をこぼすんです。泣く場面でないのに。ああ、これは芝居じゃない、心の叫びなんですね。スタッフもみんな、泣きながら撮影していました。

  

 

高橋

山本太郎さんの選挙も頑張ってほしいです。そして、ぜひ上映のために応援をしたいです。

 

太田監督

太郎さんは、きっと当選します。僕も日本全国で「朝日のあたる家」を上映できるようにがんばります。どーしても駄目なときは、太郎さんとDVDを配ります(笑)

 

高橋

では、その時は一緒に配りましょう(笑)。今日はありがとうございました。

 

 

太田隆文監督のブログ

http://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/


 

 

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