人間がいなくなった、もっと素敵な地球

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人間は、この地球の一部として存在しています。科学や文明が発達し、いつしか自然への畏敬の念を、私たちは忘れてしまったのかもしれません。自分たちは、この世界の頂点にいる、と。

 

3.11を経験した今、核という分野には手を出すべきでないと、私たちは思いしらされました。それでもなおかつ原子力が大事だと、経済の名のもとに使い続けると、人間はやがてこの地球の一員ではなくなるかもしれません。いいえ、すでに、私たちは胸をはって、地球の一員だと、仲間の生物に言えるのでしょうか。

 

ここから、小出先生のお話です。

1979年アメリカ、スリーマイル島原子力発電所の事故で、炉心が熔けてしまいました。ところが、放射線があまりにも強く、どんなふうに熔けたのかは、長いあいだ調べることができませんでした。

 

6年ほど経って、原子炉圧力容器のフタを開けてみました。水の底の方に炉心が見えるのですが、どんどん濁ってきて、中が見えなくなってしまいました。なんだろうと思ったら、バクテリアや藻類が中に繁殖していたのです。もし、人間がそこに近づくと「秒殺」という環境で、生き物がどんどん成長していたのです。

 

作業では、見えないと困るのでオキシドール(殺菌剤)を水に投入して殺しましたが、一度殺しても、また生えてくる。これを何度も繰り返す。しまいに水が濁ってしまって、さながら夏の腐った池のようだった、と作業員が表現しました。

 

私は、ぞっ、としてSFより怖いなと思った。だけど、次に、ああ、よかった、と思ったのです。人間は万物の霊長とか言っているが、実に愚かな生き物だと私は思いますし、その愚かな生き物がたぶん自分で自分を絶滅させると思います。放射能や核兵器か、何がしかの理由で絶滅するだろう。人間がどんなに愚かなことをやって自分を絶滅させても、この地球は死なない。生物は生き残る。

 

人間が絶滅したなら、もっと素敵な地球が残るだろう。

それを確信するようになったのです。

 

 

原子炉の生物.jpg

 

 

 

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