人間に、できることなのか

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膨大な原発の使用済燃料(ゴミ)は、実際はきわめて危険な『高レベル放射性廃棄物』です。このやっかいなゴミは、とても長い『時の管理』が必要ですが、はたして私たちにできることでしょうか。

  

経産省は、原発から出るこのゴミの最終処分の考え方として、次のようなことを述べています。

  

―高レベル放射性廃棄物を30〜50年間地上で貯蔵し、その後地下300m以深に埋設処分する。数万年後にはその元になったウラン鉱石の放射能と同じ程度になる ―

  

1万年の感覚をつかむため、逆に同程度の過去の姿を見てみましょう。この頃は、北海道の札幌市は海の中でした。原発のある下北半島の大間町も東通村も、はるか沖合です。そのほかの原発もほとんど海の側にあるので、1万年前に果たしてそこが陸地だったかもはっきりしません。

  

厚い岩盤を利用した世界初の最終処分場を建設中の、北欧フィンランドでは最低でも10万年の管理が必要とされていますが、アメリカやフランスではこの数値は、100万年となります。

  

ドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』(2009年)の監督マイケル・マドセン氏は、フィンランドの科学者が「不安定で地層処理のできない日本は、最終廃棄物処理場が作れない国だ」と語ったことを伝えています。

  

私たち人間に『時の管理』ができるほど、科学、社会は優れているのでしょうか。経産省は、1万年後あるいは10万年後まで存続して、責任を持つのでしょうか。


 

 

 

沖さん(本文)まさに正.jpg

 ※ 8200年前から3000年間続いた地球の温暖化期間、いわゆる「暑い夏」の日本列島地図を使用しました。

第四紀・沖積世の古地理<1万年まえから現在まで> 湊正雄監修 <目でみる日本列島のおいたち> 築地書館刊より

    http://www.kubota.co.jp/urban/pdf/11/pdf/11_2_1.pdf

 

 

そしてこちらは、国土交通省国土地理院がホームページで配信している地殻変動アニメーション

1996年4月~1999年12月(約3年8ヶ月) 鳥瞰図 です。

URL: http://mekira.gsi.go.jp/JAPANESE/crstanime9604_9912b.html

 日本がどのような地域か、実データを使用し、地殻変動をデフォルメして配信されています。

 

crstanime9604_9912b.gif 

  

 

(解説)

 ●世界初、高レベル放射性廃棄物 最終処分場

      北欧フィンランド「最低でも10万年の管理が必要になる」

 

世界初の最終処分場がフィンランドで2004年から建設され、2020年に高レベル放射性廃棄物の搬入する計画です。「トイレなきマンション」という原発の課題を世界で初めて乗り越えることになるかもしれません。

  

建設地は首都ヘルシンキから北西へ250キロ、バルト海につきでた半島のようなオルキルオト島にあります。人口約540万人のこの国では約25%が原発で電力量供給され、原子力発電所が2ヶ所のうち1つがこの島にあります。

  

フィンランドの大陸は『安定陸塊』で、20億年前に形成された厚さ60kmのきわめて硬い結晶質の岩盤の上にあります。火山はなくプレート境界からも離れており、周辺で地震活動はほとんどありません。最低でも10万年の保管期間は十分に管理可能だとしています。しかし、海が近く一部水が漏れているところもあります。

  

最終処分地は日本のように自治体への特別な補助金はないですが、固定資産税で税収4分の1ほどになっています。処分地の決定には脱原発政党も賛成しています。

  

ところで同国では二つの新規原発計画があり、東芝、日立製作所、三菱重工業の3社はこれをめぐって「フィンランドの陣」と呼ばれる受注競争を繰り広げています。

  

 

諸外国状況:原子力発電環境整備機構

該当PDF:http://www.numo.or.jp/pr/booklet/pdf/anzensei_10.pdf

格納場所:http://www.numo.or.jp/pr/booklet/anzensei.html

 

フィンランドの陣:日経新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0507J_W3A300C1000000/

  

 

フィンランド.jpg

 

 

処分場イメージ②.jpg

 

 

●日本の候補地の決定

 1999年に最終処分場に関する報告がまとまり、すでに法制化されています。候補地の条件は以下です。

  

1)  地下300m以上であればよい

2)  地下水の動きがゆるやかであること

3)  活断層を避ける

  

もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構では、これまでの研究開発から「地層処分の長期にわたる安全性を予測的に評価する方法が開発され、それを用いて安全性が確認された」としています。ところが一方で、日本学術会議は「今の技術では活断層の予測は困難、安全に地下で保存するのは困難」とし、地上での暫定保管を提案しています。

  

こうした状況を科学的に判断するのは原子力規制委員会ですが、原発の放射能拡散予測では何度もミスをおかし、敦賀原発の活断層問題では公表前に審査官が電力会社に資料を渡したことが発覚しています。

  

使用済核燃料は全国の原子力発電所に17,000トンあり、原発が再稼働すると2年で満杯となる状況で、六ヶ所村の3,000トンの貯蔵施設もすでに満杯です。もはや日本では廃棄物を保管するところさえないのが現実なのです。科学的には、再稼働などありえません。

 

   

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO117.html

 

わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性:日本原子力研究開発機構

http://www.jaea.go.jp/04/tisou/houkokusyo/dai2jitorimatome_so.html

  

高レベル放射性廃棄物の処分について:日本学術会議

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-k159-1.pdf

 

 

 

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