今、すぐにやめられないのは、経営問題です

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(小出先生)

今止まっているすべての原発が再稼働するまで、たぶん5年とかという時間が経ってからになると思いますが、今でもすでに寿命とされる40年を突破しているものはたくさんあります。5年後は、建設後60年まで運転していいいと言い出すにきまっています(笑)。

 

自民党はまたこれからも原発を作ると、のうのうと言っている。選挙制度が悪すぎます、投票しない人もいるので、自民党は国民のわずかな支持しか受けていないでしょう。

 

福島の事故は続いています。でも政権の方はもうなかったことにしたい、とにかくもう忘れろと言っているわけです。マスコミもこれに片棒をかついで福島のことは知らせない、ですからほとんどの日本人は福島を忘れようとしているのです。私は決して忘れない、そう思いながらみなさんのところへ出かけて行きますが、それでも私の力など国家のやる宣伝に比べると取るに足らないのです。

 

今、すぐに日本で原発をやめられないのは、電力会社がつぶれちゃうからです。原発なんか止めったって電気の供給という意味ではぜんぜん困らない、それが分かっているのに彼らがやり続けるのは、今やめると原発やその関連事業が不良債権になって、電力会社は簡単に倒産するのです。もちろん、再処理したプルトニュウムも資産に入っていると思います。

 

原発を再稼働するということは、電力問題ではなくて、電力会社の経営問題です。そのために、すべての原発を動かすと思います。

 

KAZE to HIKARI.13011

 

 

 

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小出裕章さんにお話をきく。-3「原発と差別について。」 http://www.youtube.com/watch?v=NbPp6OHw6VM

小出裕章さんにお話をきく。-4「総選挙の結果について。」 http://www.youtube.com/watch?v=ntuk8QoYLF8

 

●(解説)選挙結果

小選挙区制では、300人の枠のうち選挙区で1人しか当選しない「一人区」が295あります。ここでは、多数の政党から立候補があると票が分散され「死票」となり、1位が圧倒的に有利になります。また「死票」を恐れた有権者が事前調査に影響され、調査で有力な政党・候補に票が流れる傾向があります。前回の自民党は選挙区で165.8万票減、比例区で218.6万票減でしたが、選挙区の当選数3.7倍となりました。

 

1994年、衆議院選挙で小選挙区比例代表並立制(小選挙区300、比例代表200)が導入され、1996年の衆院選から実施され、前回は小選挙区300、比例代表180でした。

 

 

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●(解説)電力会社の純資産と不良債権

 

電力会社の決算は、『電気事業会計規則』という経済産業省令があり、これにのっとって行われます。総括原価方式など一般とは異なる方法がありますが、ここではふれません。

 

まず、1基5000億と言われる原発ですが、毎年、原価償却という方法で経費として価値を少しずつ落としていますので、原発の資産はそれほど大きくありません。これは、一般的な方法です。

 

資料は子会社、関連会社の資産も含んだものです。会社の余裕を示す「純資産」はそのために多くなっています。電力会社単独で見ると9社全体で5兆8千億円程度となり、原発資産額とほぼ同じようになります。つまり、原発廃止にするとその資産価値がゼロになり、「純資産」は消えます。そして、ほとんどの電力会社は倒産の道をたどるでしょう。ただし、通常の会社整理では子会社、関連会社の資産も含めて、債権者に責任を負いますので、経産省が試算したように電力会社単独で計算するのはインチキです。

 

ただし、これはまだ表面上のお話で、さらに深刻な問題があります。

 

① 原発の廃炉コスト

電力会社では、将来の廃炉費用のために1基あたり600億円程度を少しずつ積み立てます。福島第一を除く50基だと満期に3兆円程度になります。しかし、今すぐに脱原発にするとこの積立(除却仮勘定)が足りません。しかも、実際に廃炉がはじまっている東海原発では、解体に約350億円、廃棄物の処分に約580億円、合計約930億円もの見積もりがなされています。これが標準だとすると廃炉コストは約4兆6500億円となり、巨額な不足が発生するでしょう。

 

② 核燃料リサイクル事業の負債と廃炉コスト

たとえば、六ケ所村の再処理施設を経営する日本原燃は、2010年10月から決算書の開示をやめ、その不良債権は闇の中に消えています。稼動しない施設に電力会社からは、すでに1兆6169億円支払われており、別に1兆252億円の借金の保証もしています。さらに「前渡金」のかたちで1兆1千億円貸付いています。2011年には、4000億円の増資も電力会社が引き受けました。廃炉にすると1.5~2兆円が必要だと言われています。

 

こうした、日本原燃の不明瞭で巨額な負債は、脱原発となると電力会社の「不良債権」として一気にのしかかってきます。そして、現在稼動していないのでこの負債は毎日増えています。仮に稼働したところで、想定稼働率の達成は他国の事例では難しく、投資回収分の売上が期待できません。この点を、小出先生も明快に指摘されています。つまり、進むも地獄、止めるのも地獄。核燃料リサイクル事業をやめることができない、経営からの理由がここにあります。

 

しかし、これは乗り越えられない問題ではありません。1990年代の銀行不良債権問題の規模(公的資金は33兆円)から考えると、発送電分離をともなう健全な電力システムや再生可能エネルギー社会をデザインし、そこに向かって国の主導ですすめることができます。そのことがむしろ、新しい社会基盤を創り上げる壮大な景気対策にできるのです。そしてできあがった社会はヘルシーです。だましだまし、地獄へ向かう必要などないのです。(仁)

 

 

 

 

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☆資産の中でも、送配電施設が大きいです。発送電分離はこうした巨額の資産を相手にしているわけです。

 

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