千葉県スズキから、基準値超え

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昨年NHKで、東京湾の海底土から、872ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されるという、衝撃的な報告がされました。

 

 関東平野に降下した放射能が、雨によって河川から東京湾の海底にたまり、2014年にその数値は最も高くなるという、京都大学の研究が紹介されました。

 

 番組を見た多くの視聴者は、とても大きな不安を抱いています。環境省と、もんじゅを研究する文部科学省が、海域モニタリングを実施しています。東京湾では2012年に、海水6回、海底土3回、調査しています。ただし、問題の荒川河口は、二度だけです。文部科学省は、河口の流れから外れたポイントでしたが、6月が35ベクレル/kg、10月が75ベクレル/kgと2倍以上の数値が出ています。

 

 こうした中、今月14日に千葉県で水揚げされたスズキから、基準値を超える130ベクレル/kgが検出されました。しかも、これは銚子沖合10kmでとれたもので、日本一のスズキ漁獲量を誇る千葉県では、その90%が東京湾でとられるのです。

 

 気象庁気象研究所は、原発事故で大気中に放出された、放射性セシウムの総放出量は、約3~4京ベクレルと公表しました。そして約7割は、海へ落ちたと考えられています。それは、世界がはじめて経験する、大規模な海の放射能汚染です。

 

 福島県を中心に、漁協は「操業自粛」さらに「出荷停止」状態が続いています。しかし、海の汚染状況は、完全には把握できておらず、十分な測定がないと、私たちの不安は消えていません。

 

KAZE to HIKARI 13007

 

 

荒川河口.jpg

気象庁の発表(朝日新聞デジタル) http://www.asahi.com/special/10005/TKY201202280824.html

 

 

●NHKスペシャル『シリーズ原発危機 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~』

 2012年1月15日放送のこの番組は、専門家チームによる、湖、河川、そして海洋、海底の調査で、放射性物質がどのようなメカニズムによって運ばれ、魚介類に濃縮され、私たちの暮らしを脅かしていくのか、迫ったものです。

 

 このなかで、特に私たちを驚かしたのは、江戸川と荒川の河口付近で高濃度の放射性セシウムが測定されたことです。特に荒川の河口付近では、最大で872ベクレル/kgベクレルが検出されました。これは、福島原発周辺の海底土の2000ベクレル/kg超えには至りませんが、そこからはるかに離れた東京湾内部が、これほどの数値がでるとは誰が予測したでしょうか。

 

 首都圏や関東平野に降下した放射性セシウムは、雨によって最終的に東京湾に流れ込み、泥とともに団子状態になって海底に沈む「凝集」が起こると報告されました。こうした結果、東京湾の汚染のピークは、2014年となり、以後、汚染は10年以上続くとだろうと番組では結論しています。

 

 NHK:http://www.nhk.or.jp/special/onair/120115.html                                                                             番組紹介ページ:http://urx.nu/3ljp 番組動画:http://nanohana.me/?p=11200

 

NHK「かぶん」ブログ 東京湾 2014年3月に4000ベクレルに
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/121482.html

 

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●文部科学省モニタリングの海底土

 2012年6月、10月、12月の3回行われています。6月には文部科学省、環境省の調査が行われました。NHKの2011年8月の調査では872ベクレル/kgあった、荒川の河口付近の海底土は環境省が440ベクレル/kg、文部科学省35ベクレル/kgという検出がでました。

 

これらの計測ポイントは、4kmあまりの範囲で別々に行われました。放射能は、計測ポイントで大きく数値が変わる特性があります。海流の流れを見ると、NHKと環境省は荒川からの水流を意識したポイントですが、文部科学省はその流れから外れています。その後、10月に文部科学省は同じポイントで測定したときは、75ベクレル/kgとなり、6月の2倍の数値が検出されています。しかし、12月の調査からは外されました。

 

 文部科学省、環境省モニタリング/海底土(2012年6月):http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/6000/5895/24/229_t_kaiteido_120803.pdf             文部科学省、環境省モニタリング/海底土(2012年10月16日):http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/7000/6487/24/229_2_1121.pdf                    文部科学省、環境省モニタリング/海底土(2012年12月22日):http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/7000/6658/24/229_t_so_0125.pdf


 

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●千葉水揚げのスズキから、基準値超のセシウムが

 スズキ(鱸) は、海岸近くや河川の、中層水域に生息する大型の肉食魚で、食用や釣りの対象魚として人気があります。

 

 生息域は、港湾部、川、磯や干潟、それぞれのエリアでの棲み分けが、かなり明確に行われています。もちろん途中で、エリアを一時的に変えたりする可能性はありますが、水温の変化に弱いために、大部分のスズキは、一生を最初に選んだエリアで過ごしていきます。(電話調査:水産庁 増殖推進部 漁場資源課 )

 

 千葉県は、日本一のスズキの漁獲高を誇り、うち90%は東京湾(浦安~富津までのエリア: 船橋、市川、習志野、千葉、木更津、君津、袖ヶ浦、富津、浦安)で水揚げされています。残りの10%は、銚子沖(銚子、旭、山武、九十九里町、大網白里町、横芝光町、一宮町、白子町)となります。(電話調査:千葉県 水産課)

 

 今回は、出荷制限のない銚子の沖合で、底引き網漁でとれたスズキから、国の基準の基準を上回る、130ベクレルの放射性セシウムが検出されました。千葉県で水揚げされた海の魚から、国の基準を超える放射性物質が検出されたのは初めてですが、去年12月に同じ海域でとれたスズキから1Kg当たり60ベクレルの放射性物質が検出されたことを受けて、銚子・九十九里の沖でとれたスズキの出荷はすでに自粛され、流通していないということです。これまでは、東京湾のスズキから国の基準を超える放射性物質は検出されていません。

 

 NHK首都圏のニュース(動画つき):                                                                              http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20130218/fdbe4491bc9eee38cc1f491749a1a615.html

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●「操業自粛」と「出荷停止」

 3.11事故後、福島県を中心に太平洋沿岸の漁協は、2011.3.11~2011.6.21 までは、「操業自粛」を余儀なくされました。それまでは公的な出荷制限等はありませんでしたが、2011.6.22 正式に「出荷停止」となり、現在も続いています。今年になっても、新たに出荷停止なる魚種もあり、海の汚染地図は、常に書き直さなければならず、放射性物質が海底に残っている限り、魚の汚染は続いています。

 

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